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臼乃さん (9241791y)2024/3/17 03:13 (No.1109554)削除
凪くんをお借りしました〜〜🙌✨
伸びる凪くんとドヤる凪くん…😌💓
にょ〜〜〜〜〜〜ん
猫は身軽なんだね!
皐月さん (9249hcpx)2024/3/20 20:23削除
まず絵がうめぇ
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空園さん (922opcki)2024/3/17 11:04 (No.1109829)削除
うちの子同士は多分結構仲良しです、身長差も結構あります
皐月さん (9249hcpx)2024/3/20 20:23削除
根性w
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ドコゾノガラスさん (92l4v480)2024/3/20 13:30 (No.1112754)削除
高身長彼女らしきモノ(前編)

 うちの子・慧と渚による短編です。

 どうも、唐突にこういうのが書きたくなってしまったドコゾノガラスと申します。駄文・微ホラーですのでお暇でお暇でしょうがない方へおすすめです。

*************

ある3月の夕暮れ時、俺は働いているケーキ屋さんから住んでいる館への帰路を歩いていた。

「寒い…もう春だろ、なんでこんな寒いんだよ…日本全土沖縄を見習えよ…でも夏は北海道を見習ってくれ、頼むから。」

 我ながら渚並の無茶振りだ。

「ぽぽぽぽぽぽぽ」

は?

「ぽぽぽぽぽぽぽ」

 …はぁ?

 数十m先に、誰か居る。そして多分変質者だ。背筋が凍るってこんな感覚なのか、振り向きたいのに振り向けない。
 とりあえず、館までダッシュしよう。そして今日は渚の部屋に泊まろう。あいつなら許してくれるだろう。

「ぽぽぽぽぽぽぽぽぽぽ」

 なんか増えてないか?そして心なしか近づいてきている気がする。

「あ、館…」

良かった、館が見えてきた。もうまっすぐ走って左を向いて中にさえ入れば安全だ。

「ぽぽぽぽぽぽぽぽぽぽぽぽぽ」

 …でもそう上手くは行かないらしい、声はすぐ後ろだ。そして影からして、相手は多分めちゃくちゃデカい長髪の人だ。2mは超えている。
 あれ、なんだかどこかで読んだような。なんか苦手なものがあったような。整髪料だっけ?いやなんでそれが出てくるんだ、口裂け女かよ。

 このピンチでぐるぐる考えても埒が明かないので、とりあえず目をきつく瞑ってやり過ごそうと試みる。
 数時間も経っただろうか、俺は恐らく寝落ちしてしまった。こんな状況でも寝られる自分に感心してしまう…いや、恐怖で気絶でもしたんだろう、きっと。
 とにかくなんで寝落ちしたのが分かったかって言うと、館の見慣れた天井が目に入ったからだ。だがこの隣の部屋から漂う明るさと警告音は俺の部屋のものではない。ここは九割九分渚の部屋だろう、あいつが珍しく外に出て俺を発見してくれたのだろうか…いや、そもそも全ては悪夢に過ぎなかったのかもしれない。そう願いたい。

「ああ慧、起きたなら出ていきな。」

 あれ、なんかいつもより冷たいぞ。明らかに怪しい仕事をしている時でもこんなにそっけなくされた事は初めてだ。

「彼女さん居るなら私も遠慮するから大丈夫だよ…たまに家事の事相談しに行くかもしれないけど。」

 どういうことだ、俺に彼女なんて居ないぞ?もちろん作った事もない。渚は度重なる徹夜で混乱してしまったのだろうか。

「あのなぁ渚…お前、少しは寝た方が良いぞ?お前の世話で忙しい俺に彼女なんて居ないに決まってるだろ、居たとしても放って置かれすぎてとっくに別れてるだろ。」

「え、でも昨日の夜背がめちゃくちゃ高い女の人が部屋の合鍵持ってないからってこの部屋に慧を連れて来たんだけど…」

 あれ、なんだかおかしいぞ。

「渚、そいつどんな格好してた?」

「そいつって、知り合いじゃないの…?まぁ白いワンピースに白い帽子、黒くて長い髪に白いヒールで顔はあんまり見えなかったよ。でも本当に背が高いから一瞬妖怪の類かと思っちゃったよ…あ、いや、失礼だったらごめん!ただ本当に背が高かったって事で…2m半はあったよ。」

 …ああ、なるほど。

 大体を悟った俺は決意した。しばらくは渚の部屋に泊まらせて貰おう。

*************

 ド下手な文章失礼致しました、近々勝手に後編も出させてもらおうかと思っています。
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しろかねさん (928slqp9)2024/3/18 00:36 (No.1110419)削除
☆【注意】遅刻、更には妄想しかない☆


来たる2/14。その日は、戦争だ。そう、バレンタインデーである。聞いた、聞いてしまったのだ。学芸員の仲間達が、「貰えるならやっぱり手作りだよな」と言っていたのが。これは、料理が苦手とか言っている場合では無いぞ、と意気込んだはいいが自分に果たしてできるのだろうか、と不安になった。もしかすると、料理 上手な先生を呼んだ方が良かったかもしれないとも思った。でも、もう準備は出来てしまっているのだから今更なのだ。ええぃ、と腹を括ることにした。

「や、やるしか、ないから……!」

まるで自分に言い聞かせるように言った。
材料はちゃんと準備した。
必要な器具も揃えた。
よし、!ともう一度覚悟を決めては、作業に取り掛かることにした。
インターネットでレシピを見て、それの通りに進めていく。ここで困ったちゃんが出てしまった。分量がちょっとずつ間違えているのだ。なお本人は気づいていないという悲劇。料理慣れしている人ならばどうにかできるだろう。だが、あいにく彼女は家事が元々苦手で避けてきた人物。このミスを埋める技量は、持ち合わせていないのだ。

結論から言うと、失敗した。
チョコレートマフィンをどうやって失敗するのかは甚だ疑問だが、失敗したのだ。
食べようとすればガリガリ音がして、食べられたものじゃない。泣く泣く処分はして、材料はまだあるから…!と何度か挑戦したが、結果は変わらず。何故なのだろうか。
ぐずぐずと泣きながら眠りにつき、翌日起きた後は出かけた。
もう作れない事に諦め、市販品に頼ることにしたのだ。
男性陣は手作りの方が好きらしいが、食べられるものを作れなかったのだ。ならば、買うしかない。皮肉にも、これでも稼ぎは悪くない。

そして迎える当日である。
慣れていない、というか…初めてのことになるのだ。相手を呼び出して、来てもらって。
「……男の人は、手作りがいいって聞いたけど…作れなくて、ごめん。」
押し付けるように渡して、逃げるように部屋へと走っていった。
相手からの答えは、怖くて聞けなかった。
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ヘルさん (925ff2mt)2024/3/16 14:56 (No.1108936)削除
空白めっちゃあります。
過去ソロルです。
中身カスカスです。








「ママァァ!!パパァァ!!」







そう泣き叫んだ日は俺の誕生日だった。




XXXX年3月29日、夕方 



今日は早瀬家長男の誕生日だった。
彼の好きな水族館へ行き、その帰りだった。


「ーーー、今日は楽しかった?」



「うん!すっっごく楽しかった!!」



「おー!そうか!良かった良かった!!」


「帰ったらケーキ食べようね!!」



なんて家族団欒話をしていた


彼の大好きな水族館へ行き、鮫や、水母やクリオネを見た。

少年の瞳はキラキラと輝いていた。










ーーーー
この後、地獄があるというのを知らずに
ーーーー

一瞬だった



大きな真っ白な光が4人の視界を奪った。















暗転
















次に目を覚ましたのは母の腕の中だった。



立ち上る黒煙




パチパチと燃え上がる炎




叫ぶ民衆 





遠くから聞こえるパトカーや救急車のサイレン




逃げる車





それを追いかける人たち




人が多すぎた。吐き気がした




そして両親の遺体




「薫!!」







そう呼んだのは姉だった。

「大丈夫!?怪我してない!?」



「お、お姉ちゃんパパとママは…?生きてるの…?」




早瀬薫は察しのいい少年だった。
もう息をしていない母達を死んだと思いたくなかった。
嫌だった、死んだって思いたくなかった。





「薫…、もうお母さん達は」




”死んじゃったわ”





嘘だ嘘だ嘘だ!!!!!!そう思い母の手を取った。


だけど母の手はもうとても氷のように冷たかった。


「ママァァ!!パパァァ!!」

泣き叫んだ、大粒の涙がボロボロと地面に落ち、
吸収される。
その時に警察が来た。救急の人も来た。

警察の人は両親を持って行った


まってもっていかないで、ままたちをもっていかないで




そう言いたかった。声が出なかった、




彼の瞳から光が消えた瞬間だった。
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
早瀬薫 過去ソロル第一弾。
ヘルさん (925ff2mt)2024/3/16 15:10削除
皆様どうも私の駄ソロルを最後まで見ていただきありがとうございます。地雷の方お目汚しすみません。
返信
返信1
皐月さん (9249hcpx)2024/3/16 14:57 (No.1108938)削除
本当のにゃーなんて...きっと好かれないら
闇を表現したイラストです、手抜きではありません。
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返信0
臼乃さん (9241791y)2024/3/15 05:45 (No.1107713)削除
幽くんの過去…?

※途中ひらがな多めです
⚠️そこそこ重め、グロめです⚠️

 



ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー



「まって……!!お母さ………!!!」



__それは、ある日、真夏の真昼間に起こった。


2XXX年、7月29日。


ブンブンという小さな扇風機の音。

ジリジリと五月蝿い蝉の鳴き声。

チリンと綺麗な音色を響かせる風鈴。

なんだか焦げ臭い蚊取り線香。

そして、涼しげに立ちはだかる積乱雲。

夏ならではのあの匂いが、鼻をするりと撫でるような気がした。

そこに広がる景色は、いつも通りの“お婆ちゃん家“。
扇風機に靡くブカブカな半袖は、“兄“のお下がり。
少々年季の入った畳には、麦茶とスイカが置いてある。

「ずぅっとこうしてたいなぁ…あついのはやだけどぉ…」

暑い。だが熱った体にアイスやスイカがよく染みる。
チリン、という爽やかな風鈴の音は心地よく、蚊取り線香の焦げ臭さすらにもなんだか寛ぎを感じたのだった。


そんな快楽も束の間____ふと視線を兄にやると、信じ難い光景が広がっていた。


「兄ちゃんっ……?兄ちゃん!兄ちゃん!!!」


ーーーーーーーーーーーーーーー
ーーーーーーーーーーーーーーー

“ ぼくのにいちゃんは、ビョウキだった。

なんだかよくわからないけれど、しんぞう?のビョウキらしい。

にいちゃんはとってもべんきょうができた。ぼくもそれをじまんしていた。
だけど、うんどうはからっきし。たいりょくがとってもすくなかったんだ。

ぼくは“いま“6さい、にいちゃんは10さい。9さいのときにそのビョウキをはっしょう?したんだって。

ぼくはかぜなのかな、くらいにしかおもってなかった。
しんどそうなにいちゃんを、しんぱいしてあげることしかできなかったんだ。

「んっ?ぼくに“オトウサン“はいないよぉ?」

きのう、おともだちにそういったんだ。そしたらみんなびっくりしてた。
ぼくっておかしいの?ってママにきいたの。そしたら、すっごいこえでおこられちゃったや。

…なんでだろ。“

ーーーーーーーーーーーーーーー

もうぼくも小学3年生。クラス替えからちょっとたった。

そんな日のかえり道、ちっちゃい子どものネコちゃんを見つけたんだ。
すてねこみたいだったから、家へもってかえってあげた。

お母さんからはとってもおこられちゃった。
でもまけずにじぶんでおせわするって決めたんだ。
名まえはなかった。“お母さんによばれたくなかった“から。

ーーーーーーーーーーーーーーー

ぼくのお母さんは、“へんな人“。

しらない男の人と、へんなたてものに入っていくのを見たんだ。
かえりはとってもおそいし、ぼくたちをまともにそだてようとしてくれない。
ぼくは大っきらいだったよ。

ぼくのオトウサンは、かおを知らない。
どんな人だったのかな。
お母さんは、“どっか行っちゃった“って言うんだけど。

ーーーーーーーーーーーーーーー
ーーーーーーーーーーーーーーー


「兄ちゃん!?兄ちゃんっ!!……えっ…お母さ…なん…で……」


兄ちゃんのおなかに、スイカのたねがついた包丁がささってた。

まっかな血がいっぱい出てたんだ。


あたまがまっしろになった。

兄ちゃんはたたみによこたわってた。たたみもまっかだった。
兄ちゃんの手は青じろくって、ひんやりしてた。

さいしょははしらで包丁から下が見えなかった。
兄ちゃんのもとへ行こうとおもってうごいたんだ。


そしたら、包丁をにぎった手とつながってた人が見えたんだ。

見たく、なかったんだけど。


___お母さんだった。


おどろかなかった。どうようはしたけど。
だって、知ってたんだもん。
お母さんが兄ちゃんのこときらいなの。

お母さんは、いちども兄ちゃんをしんぱいするようすがなかった。
ちりょうにもきょう力てきじゃなかったんだ。

なんか、“ほけん金目あて“だったらしいんだけど。

とにかく早く死んでほしかったみたい。

ぼくはおこったんじゃなくって、かなしかった。
いたそうなことしちゃダメだよって。
死んじゃうよって。

なみだがポロポロあふれてた。
お母さんが“シンヨウ“できなくなっちゃったんだ。


「……は…はぁ…?…なんでって…“煩い“からに決まってるでしょう…?さっきからチャラチャラチャラチャラと……」

「あんたがこの“鈴“を持たせてからね!!こいつは煩いんだよ!!!さ…さっさと死んで………金になれよ!!!!」


お母さんの声はふるえてた。

きっと心のどこかでコウカイしてたんだと思う。


すずっていうのは、ぼくが6さいの時に、兄ちゃんにお守りとして持たせてたもののこと。
ぼくががんばってためたお小ずかいをぜんぶつかって、じんじゃから買ってきたんだ。

兄ちゃんはとっても大切にしてくれてた。はだみはなさずもってて、リュックサックにもつけてた。
だからいっつも、うごくとチャリンって音がするんだ。

ぼくは兄ちゃんのあかしのような気がして、とっても気に入ってた。
でも、お母さんはそうじゃなかったみたい。


「……あぁ、そういえば…煩いといえば、あんたの“猫“も…ニャーニャー耳障りな声で鳴いては物を壊す……」

「あぁそうね……名案だわ…殺せば良いんじゃない?あははははははははははは!!良いわねぇそれ…」


「どいつもこいつも…死になさいよ…!!!!」


ぼくは青ざめた。
つれてきていたそのコネコちゃんのもとへかけよった。
守ろうとしたら、パッと首をつかまれてお母さんに取り上げられてしまった。

あぁ、もう終わりだ。
兄ちゃんもネコちゃんも、お母さんも……ぜんぶうしなっちゃうんだ。

お母さんがネコちゃんを地めんにたたきつけて、そばにあったハサミをもってふりかぶった。
目をギュウっとつむった。


ドスッ…


あぁ、ネコちゃん……
おそるおそる目を開けた。


ネコちゃんの前には、おなかをおさえた兄ちゃんがいた。

むねを、刺されちゃってた。


ショックでうごけなくなってたら、お母さんが外の川へ向かってた。
お母さんも、じぶんで死んじゃう気だ…!!
そうかんじて、ひっしに食い止めた。


「まって……!!お母さ………!!!」


ーーーーーーーーーーーー
ーーーーーーーーーーーー


パタン…


「はーあ……“ここで日記は途切れている。“……とかぁ?」

「無難だけど良いかもねぇ〜…まぁマジで途切れてるし。」


僕はホラー系の動画を発信しているとあるYouTuberだ。
今日はネタ探しのついでに、少し部屋を整理していた。

“おっ、なついのあんじゃ〜ん?“
なんて思いで手に取ったのは、幼少期〜中学生まで書いていた日記。
創作ホラーも考えていたところだったので、これを動画にしてしまおうかな、なんて考えたわけだ。

中身を確認すると、やはりいつ見ても“己の過去“はえぐいモノだなぁと再確認した。

兄の存在も。


そう、上記の出来事は全て実話。

僕の詰まらない身の上話である。


丸写しでも、十分インパクトはあるよな…
なんて考えが真っ先に飛び出すあたり、かなり染まってんな〜なんて。


鈴、ごめんね。君だってこんな名前、気に入っていないだろうに。

大好きな兄ちゃんの“遺言で名付けられた“名前なんて。


兄 ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

「その…猫の…名前は…決まったのか…?」

の ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

「そうか…じゃあ……鈴は…どうだろう…」

遺 ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

「嫌…か…はは、そう…だ…ろう…な……」

言 ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー



END


長々とよく分からないソロルをここまで読んで頂きありがとうございました🙇😭✨

おまけ、というか入れれなかった小話です…😇
最後の遺言で「嫌!」と返答していると思われる場面ですが、これは名前ではなく「死なないで、死んじゃ嫌だよ!」という意味で言っていた、という…😌
ピクルー「少年製造機」様より
兄ちゃん(10)
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皐月さん (926zmo7g)2024/3/14 21:24 (No.1107443)削除
夢ちゃんがお世話になりかけているので薬袋くんお借りしました🙇‍♀️
こんな感じで笑うのかなぁ
返信
返信0
皐月さん (9249hcpx)2024/3/13 22:03 (No.1106648)削除
※R-15注意※

そして莉隼くん以外の人は見ちゃダメ!
(無理言うな)(なら載せるな)

夢ちゃん、寝る時こんな格好です。
一応すっぴんにピアスも外させました。
久しぶりに本気出してこのザマです。
返信
返信0
さん (91yi6g5i)2024/3/13 07:34 (No.1106001)削除
※微ホラーかもしれません







「そのまま……少し、右を向いていただけますか? ……ええ、そうです。……お綺麗ですよ」



雲ひとつ存在しない、地上へ光が届くほどに光る星達と眩い月の光が主役を飾ったような夜。液晶越しに映る彼女の姿は、短い人生の中で最も輝くにふさわしい舞台。

レースで飾られた白いスカートが夜風に撫でられて、それはそれは嬉しそうに宙を舞った。

その瞬間を決して見逃さずに、長細い指先で確実にシャッターのボタンを捕える。



" カシャッ "



静謐な野原に響く無機質なシャッター音は、宙を遊び終えたスカートが下がっていくと同時に消えていった。



『ねえ、加賀さん。本当にありがとう。』


「……ええ、こちらこそ。貴方が、最後に私を選んでくれたことは……とても、光栄です。」






______三月十日。まだ、頬を撫でて消えゆく風が少しだけ冷たい頃。

その風に混ざっていつか消えていく灰色の紫煙を眺めながら、人差し指と中指の間に挟まれた一本の煙草が地面を目指して灰を落とした頃。

対となっている掌の中に収まった携帯式の灰皿が不純物を受け止めるために今か今かと待ち侘びていたのに、その親切に無視をして自然の中へ葬ってしまったことに思わず瞠目をした。



「……あ。」



これもまた風に混ざって消えてしまうような小さい呟き声が、唇の隙間を上手く掻い潜って外へ逃げていった、その時。

上着の懐に備え付けられたポケットの中から振動を感じたので、灰を片付けるよりも前に携帯灰皿を手放すことを代償として携帯端末を取り出した。

片手が塞がってしまっているから指先を器用に動かして上蓋を押し上げる。この時代には珍しい、所謂ガラケーと呼ばれた端末の液晶には、確認を催促するようなデザインと共に【新着メール】といった五文字が映し出されていた。





『私の最後を撮ってください。』






______三月十一日。綺麗な群青色を独占してしまたいと願った雲が、人間の視界から空と日光を奪ってしまうような天気。

奪われてしまった室内明るさを間接照明の光だけで補った仄暗い部屋と、最低限の家具に加えて大きな観葉植物が一つだけ添えられた、それはそれは殺風景な部屋の中。

対極に置かれた二つのソファを、二人の女性が片方ずつ占領していた。心地よい低反発は、女性特有である座高の低さを助長している。

何を語るでもなく、時計の中で永遠と退屈をしている秒針の音だけが響く静謐な空間だった。



『夜に溶けたいの。』



そんな空間を遮ったのは、凛と咲きながらも透き通って、儚げな雰囲気を纏った美しい声。

そんな声が耳を通って頭の中で溶けるような感覚がとても心地いいだけで、そのまま思考回路を介して言葉の意味を理解するまでには至らなかった。



「……夜に溶けたい、というのは……」



『ああ、ごめんなさい。説明不足よね。要は_____』



消えたい。この世界からも、この世界に生きる人々の記憶の中からも。

そう言われても全てを理解するにはまだ言葉が足りなくて、ただ首を傾げるだけ。

この殺風景にも程があるような部屋の中に、人間をいたぶるような残虐性を持った武器や刃物が大量に飾られているならば彼女の話も理解が追いついただろうに。

実際のところは暗色のアルバムと十数個のカメラ、強化ガラスの中で眠っているレンズ達くらいしか置いていないわけで、残念ながら理解にまで至ることができなかった。



「私は、人を撮りますが……殺めません。」



『それでいいの。私を撮ってほしい。』



この世界から消えてしまう。
この世界の人間の記憶から消えてしまう。

でも、写真は消えないから。
だから、死ぬ前に撮ってほしい。



「……ええ、喜んで。深くは……聞かないことにしましょう。ただ……」



貴方の命は、待ってくれるんでしょうか。



迷いもなく頷いた彼女に心の奥底で安堵を覚えて、何も言わずにソファから腰を上げる。

机の上を飾るラックの中に立てかけられた書類の諸々を手に取り、再び低反発へと腰を据えたならローテーブルの木目を隠した書類を彼女へ向けた。

簡単な説明をするために開いた口で綴ろうとした言葉が喉元まで出かかっていたあたりで、退屈な文章だけが並んだ書類を彼女が裏側へと翻す。それに驚いて向けた、視線の先。



『そういうのはいいの。もう、最後だから。』






______三月十二日。

雲ひとつ存在しない、地上へ光が届くほどに光る星達と眩い月の光が主役を飾ったような夜。

液晶越しに映る彼女の姿は、短い人生の中で最も輝くにふさわしい舞台。



『………綺麗。加賀さん、センスあるのね』



「お気に召していただいたようで……嬉しいです。………ふふ、お仕事ですから」



「ええ、本当に気に入った。」



三脚に体重を預けて寛いでいるカメラが音を立てて、一枚の写真を吐き出す。

最初は色彩の薄かったその写真は、秒数が進むにつれて段々と輪郭を露呈させていった。

一昔前のような、その一枚の中。

夜空の主役と言っても過言ではないような一番星はもちろん、月すらも脇役にしてしまった美しい彼女が、まるで初めて自由を手にした幼い少女のように瞳を輝かせて舞っていた。

その写真を丁寧に、丁寧に彼女の手の中へ。

たった一枚の紙切れ。されど、彼女の全てが詰め込まれた一枚のアルバム。

その写真を胸に抱いて、表情を輝かせながら褒めてくれるものだから、少しだけ歯がゆくなってしまって口角が緩んでいった。



「また……撮りたいと。……綺麗な貴方を見ていると、そう思ってしまいますね。」



『私も、また貴方に撮って欲しい。……思うだけで、それは叶わないけど』



せっかく喜びに満ち溢れていた顔が段々と曇って、最後には眉を下げたまま笑ってしまう。

その表情が、あまりにも言葉に込められた意味の重さを物語ってくるものだから、なにも言葉が出なくなった。



『加賀さん。私、もう行かなきゃ』



「……ええ。……少しだけ道が悪いですから、お気をつけて」



引き止めようとして、彼女の手を取りたくなってしまった腕を抑制する。

このまま彼女を送り届けたい思惑で頭が埋まっていても、片付けを待ち侘びている機材達が行くなと背後から訴えかけてくる。

そもそも、彼女はそれを望んでいない。



『ありがとう。……ばいばい!』



こちらの返事も待たずに、そういって走り去っていく彼女の背中を、ただ見つめている。

月の光だけを頼りに追っていた背中も、ついに見えなくなってしまった。



「……良い、夢を。」





______三月十三日。午前三時。もう十分だろと言わんばかりに現れた雲が、また空を隠してしまう。まだ太陽が登っているわけでもなければ、星と月が雲の中で泳ぐだけ。

相変わらず間接照明だけで視界を補っているような明るさと殺風景な室内で一人。

こんなに夜が更けても、普段の生活習慣と数時間前に別れてしまった彼女の存在が引っかかって、睡魔が顔を覗くことすらしない。

もう二度と会えないだろう彼女のことが、気にかかってしまって仕方がなかった。

騒ぎを起こしている胸の内を落ち着かせようとして、気がつけば足は台所へ。愛用しているマグカップを持って、見慣れた銘柄のインスタントコーヒーを手に取った時。それがやけに軽く感じて、瓶の底を覗いてみると不幸にも中身を切らしていた。

こんな時に。

小さな溜息を一つ吐き出すと、踵を返して台所を後にする。少しだけ悩む時間を過ごした末に、ハンガーへ凭れて佇んでいる上着を手に取ったなら、腕を通して体に羽織らせた。

そのまま玄関先の扉を潜って、静謐な夜の世界に無機質な施錠音を響かせる。

もう三月だというのに、それにしては冷たい風によって微かに肩を震わせられながら見慣れた道を歩き始めた。

コンクリートを踏む革靴が、コツコツと硬い足音を立てる。



______また、胸騒ぎがした。




咄嗟に視線を向けた先、月の光が届かなくて先を見ることができない路地の裏側。薄気味悪くて、普通の人ならば近付きたくないような道。

それなのに。

まるで誰かに意思を乗っ取られたかのように、本能の叫びに無視をして自然と路地裏へ向けられた足の先。






「ああ………ここでしたか。」








死体が、見ている。









" カシャッ "









______三月十三日。太陽が一日の仕事を終えて、空を朱色に染める頃。

大きな証明機材で全体が照らされた一つの路地裏に、忙しない足取りで辺りを探索する警察官が複数人。

その中心には、息を失った女性が一人。

レースで飾られた、白いスカート。



『おい、何か見つからないのか』



『すみません、特に何も……』



『……全く、面倒くせえ。余計な仕事を増やしてくれたモンだ』



『そんな言い方……』



人が、亡くなってるんですよ。



見習いの言葉に溜息を吐いて、それはもう退屈そうに地面へ腰を据える中年の男性。

世を正すべき警官が身に着ける制服を着ているとは思えないほど、調査に対する嫌悪感を表情にまるまる浮かべている。



『よくある事だろ。』



『……あっ。先輩!こんなものが!』



何かを手にした青年が、いまだに地面で佇んでいる中年の元へ走り出した。

なんだなんだと相変わらず面倒くさそうな言葉を吐き出して、青年から受け取ったものへ視線を向ける。

くしゃくしゃに折れてしまった、一枚の写真。



一昔前のような、その一枚の中。


夜空の主役と言っても過言ではないような一番星はもちろん、月すらも脇役にしてしまった美しい彼女が、まるで初めて自由を手にした幼い少女のように瞳を輝かせて舞っている。





「すみません。」





____全ての警官の視線が、一点に集中した。

こんな路地裏に響くはずのない女性の声を引き金にしてやっと地面から腰を上げた中年の顔といえば、それはもう険しく顰められている。



「ここに………写真が一枚、落ちていませんでしたか。夜の中で、踊っている……女性の写真を。」



声の主の言葉と写真を参照するように視線を往復させて、女性の捜し物と完全に条件が一致していることに気付くと無意識に嚥下した生唾。






「昨日は………暗くて、見つけられなかったんです。ここは、月の光が届きませんから………何も、見えなくて。」





「………ええ、何も。」
さん (920c7pi6)2024/3/13 11:46削除
夢中になって読み耽りました、大好きです……😊
さん (91yi6g5i)2024/3/13 18:55削除
長いのに読んでいただけたんですか…!!そう言っていただけで感激です、ありがとうございます🥰🥰
返信
返信2
さん (91yi6g5i)2024/3/11 16:29 (No.1104441)削除
たくさん食べて大きくなったあと
翠玉さん (9241n1qk)2024/3/11 17:39削除
んぁ〜!!!!可愛過ぎる!!!!
いっぱい食べてね!🥰🥰🥰
さん (920c7pi6)2024/3/11 18:19削除
めちゃくちゃに好きです……たくさんお食べ……
皐月さん (9249hcpx)2024/3/12 10:35削除
あーんしたい...
さん (91yi6g5i)2024/3/13 18:54削除
んわ〜!今コメントに気づきました…嬉しすぎます、ありがとう…🥰🥰🥰
返信
返信4
皐月さん (9249hcpx)2024/3/12 13:29 (No.1105268)削除
あの時抱きしめた瞬間は...

臼乃さん宅の千鶴さんお借りしました
さん (91yi6g5i)2024/3/12 19:37削除
てぇてぇ゛〜〜ッ!!!!❤️❤️ す 好きです(告白)
臼乃さん (9241791y)2024/3/13 15:24削除
ファッッッ!?!?💓💓最高ですありがとうございます😭😭
返信
返信2

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